彫刻家の夜話し

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<<   作成日時 : 2016/12/23 03:05  

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久し振りのブログです。前のが7月22日記載だったから、5ヶ月振りになる。7月31日で満9年を数えるリブログである。時間は経過しても何の重みにもならない軽さではある。

11月末にウッカリミスで右膝関節を傷めてしまった。歩くことに難渋している。階段の上り下りは全く、自分でも滑稽なほどの体たらく。半歩ずつ時間をかけている。

幸いに以前、バネ指で困った時に救われた整形外科医のO先生が西明石で開業されている。
丁度、右掌人差し指が重度のバネ指で困っていたので、片道1時間半を掛けて通院することにした。バネ指は注射一本で快癒。指管骨の入口、ピンポイントに針を打ち込む秘儀である。以前他の指では近所の医師に二度外された経験を持つ。
膝関節にヒアルロン酸の注射、リンパ液は出血して真っ赤だったが、今週20日の治療では琥珀色の正常に戻っていた。生傷に瘡蓋で出血が止まった段階故にもう暫くは無理を避ける事!

親しい作家の展覧会や懇意にする画廊やらにも不義理を重ねる事になった。

歩けないという事は、正常に立てないという事で、最初が重くて刻むに従い軽量化する木彫では、材料を制作台に据えることすらままならない。椅子に腰掛けたままで描ける絵の具のデッサンを重ねることにした。
阪神震災に罹災してアトリエを無くした半年、毎日日記の様に描き続けていた以来の彩画になる。
色紙から始めた彩画はF4からF6に。次はF8かな。
目標は30枚。30枚描き溜めたら、何処か小さな画廊で絵画展を開こうと思う。既に10枚は越したからあと20枚。丁度膝も回復することになる予定。

12月20日の治療後、O先生と交わした雑談からブログに載せるネタが誕生した。
「整形外科医の若手にX線写真という平面画像から、如何にして骨格の立体構築をして治療にあたるかを話しても、平面思考から一歩も出られない人が多いのですが、彫刻家はどのようにして立体把握を鍛えるのですか?」
『多分、立体把握の感覚は天性のもののように思います。僅かにでも萌芽を内包していてくれれば、開花の手助けはできるのですが、平面感覚の強い人には打つ手は無いのです』

それで、思い出しました。

むかしむかしのその昔、東京の大手予備校で講師稼業をしていたのですが、講師控室は雑居で色んな教科の先生と一緒でした。専門が物理学の数学講師と親しくなり、詰らない初歩的な物理の疑問を教えて頂いたりしていた中で、複雑で有機的な形状のオブジェを彫刻家は意図も簡単に中軸を見出して屹立させるけれど、その中軸を計算式で導き出すのは大変な作業になるのですよ。といわれた経験があります。彫刻家だと至極簡単なコツなのですが、それも特殊な能力なのかもしれません。

平面感覚の発想からでも組み上げてしまったら、それは既に立体造形物になります。そしてそれはそれで魅力的な造形でもあります。どちらかに優劣がつくといつた話では無いのです。

東洋人中でも民族としての日本人には平面感性に強く、立体構築の感性が希薄気味に出来ているようです。
西欧人の多くが立体掌握の感性を持ち合わせているようです。立体構成力の無い人に立体構成を理解伝達させるために研究開発されたのが、図学図法の研究であったように思います。

ですから、これでもかと言わんばかりの立体立体した造形に辟易としないわけでもありません。
そこで例証としては、日本の近世作品を上げて記してみます。

彫刻工芸が工房制度を歩むために勝れた立体作品のコピーを量産する事に終始してきた事実を踏まえて、此処では個の活動を示した作例数点を記述してみます。

平面的な着想から始めて立体に結実したものに日光東照宮の伝・甚五郎作「眠り猫」を上げておきます。彫技の巧みさに比して着想と処理は平面的に終始しています。「三猿」も同様です。
円空仏も檜の割肌に極めて平面的なフォルムを見出して刻んでいます。
同時代の木喰上人の仏像彫刻には立体視感を読み取ることができます。唯、彫技に未熟であった故のアマチュア的稚拙さがご愛嬌ですが。

もう一例、京都伏見石峯寺の五百羅漢像。画家若冲の原画指示によって石工が彫り上げた石仏群です。
石工任せに石仏を彫らせればそれなりに立体仕様に刻んだかも知れませんが、発注した人が監修する若冲ですから、その影響下見事なまでに平面的発想を推し進めた立体物になっています。

今夜は此処までにします。気が向けば続きを書けるかもです。おやすみなさい。

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